効果的な吸入治療のために
患者さんから「内服の方が簡単で、吸入は面倒くさい」とか、「飲み薬は忘れないが吸入は忘れる」とか言われることが 少なくありません。しかし、気管支喘息治療の中心は内服薬ではありません。吸入薬とくに吸入ステロイド薬が治療の主力となっています。それは内服薬より効果が大きく副作用が少ないからです。
発作が起きている時に、「ノドがゼーゼー鳴っている」ように感じる患者さんもいますが、ノドに主たる異常があるのではありません。気管支喘息の名の通り、ノドではなくもっと奥の気管支で病気が起 こっているのです。ですから、吸入薬は気管支に届いてこそ効果がでるのです。口やノドに付着した吸入薬は副作用を起 こすだけで、治療の役には立ちません。
では、気管支に薬が入ったことをどのように確認したらよいのでしょうか?吸入薬が気管支に入っても、通常は何も感じません(まれに、薬の刺激で咳が出る人 もいます)。自分で実感することはできないので、正しい吸入方法を習得するしかありません。飲み薬は、口の中に薬を入れ 水と一緒に飲み込めばよいので、「正しい内服方法」が問題となることはあまりあ りません。その点で、吸入薬は面倒な薬 ですが、1〜2か月間吸入方法をご自分 やクリニック、薬局で点検を重ねてゆくと、ほとんどの患者さんが正しい方法を習得できるようになります。
数多くの吸入薬が発売されていますが、その性質から大きく2つに分類されています。
ドライパウダー式吸入薬(DPI)図1
定量噴霧式吸入薬(pMDI)図2どのような吸入薬でも以下の点は重要です。
【 副作用対策 】
吸入薬を継続しているうちに声がかすれたり、口内炎ができたり、時にはカンジダというカビが口の中の粘膜を傷つけることがあります。これは、口やノドに薬が残ってしまうためです。こうした副作用を予防するために以下のことをしっかり行いましょう。
| 発行/萩野原メディカル・コミュニティ |