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健康寿命という言葉を知っていますか? わたひき消化器内科クリニック 管理栄養士 綿引 眞躬

血管・骨・腸を若く保って
      いつまでも健康に!


健康寿命を左右する3つの年齢は、血管年齢(老齢期痴呆の原因の3割以上を脳卒中が占めています)、骨年齢(寝たきりの2大原因は脳卒中と骨折)、そして腸年齢(腸内の悪玉菌が増えて免疫力が下がる)と言われています。どの年齢も、
食生活で若く保ちましょう。

●自立して元気に暮らせる期間。日本の平均は74.5歳!
 健康寿命とは、WHO(世界保健機構)が提唱した新しい指標で、要介護状態となった期間を平均寿命から差し引いた寿命のことです。日本では74.5歳となっています。平均寿命は80.9歳ですから、80.9−74.5=6.4年間は、病気や痴呆、衰弱などで要介護状態にあることになります。「健康日本21」では、このWHOの指標を取り入れ、健康寿命を延ばすことを目的に掲げています。

   
●健康寿命を延ばすために!こんな食生活を心がけましょう。
(1)塩分を控えましょう

  食塩は血管の老化を早め、血圧を上げる原因になります。
1日10グラム未満にしましょう。たくあん2切でも1グラムの塩分があります。漬物の食べ過ぎは要注意です。汁物は1日1回を目安に。かまぼこと干物などの加工食品も塩分の多い食品ですので、食べ過ぎないよう心がけてください。その他、めん類のスープは全部飲まない、減塩醤油を使用するなどの工夫をしてみましょう。
 
(3)野菜はたっぷり!
果物は食べ過ぎないようにしましょう
 野菜と果物は、ビタミンC、E、ポリフェノールなどの抗酸化物質やカリウムがたくさん含まれ、血管を痛めつける活性酸素を消し去って血圧を下げる働きがあります。野菜を1日350グラム以上食べるよう心がけましょう。果物は1日にリンゴ半個が目安。果物では野菜の代わりはできないので、摂り過ぎないように注意を!

(2)動物性脂肪の摂り過ぎに注意しましょう
 丈夫な血管を保つには、良質のたんぱく質が必要です。なるべく脂肪の少ないものから摂るよう心がけましょう。ロース肉よりも赤身やヒレ肉、鶏肉なら皮や脂身をはずすと違います。ベーコンよりプレスハムがおすすめです。  
※POINT 加工食品に含まれる塩分の目安
栄養成分表示で「ナトリウム」と表示されている場合
ナトリウム(g)×2.54=食塩(g)

  (4)牛乳・乳製品は1日130〜180グラムを摂りましょう
 牛乳・乳製品は良質のたんぱく質とカルシュウムの宝庫。血管と骨を若く保つために必要です。ヨーグルトで摂れば、ビフィズス菌などの善玉菌を増やして腸年齢を若く保つことができます。

(5)大豆製品、魚、海藻をきちんと摂りましょう
 大豆には良質のたんぱく質、カルシュウム、イソフラボンが含まれています。魚からは体内では作れないEPA、DHAなどの必須アミノ酸が摂れます。海藻が含む水溶性食物繊維はコレステロールを下げてくれます。料理法を工夫し、積極的に献立に加えましょう。






発行/萩野原メディカル・コミュニティ