知っていますか?「医薬品」と「食品」のちがい わたひき消化器内科クリニック 綿引 元
■はじめに
生活環境の著しい変化などの結果、バランスを欠いた食事を取らざるを得ない人が増えています。そして、そうした人たちに対し、健康補助食品や保健機能食品等を積極的に活用して、栄養成分を補給し、健康の保持・増進に役たてようという動きが国際的にも高まって来ています。さらに、食を通じた健康づくりへの関心が高まるなかで、さまざまな栄養情報を表示した健康食品も増え続けています。ドラッグストアやコンビニでもいわゆる「サプリメント」が商品棚を占めるようになり、身近なものになってきました。また一方では、過剰な効果をうたったあやしげなサプリメントの広告の氾濫も目に付きます。この項では「カロリー過剰・微量栄養素不足」と云われている現代人の食生活を振り返りながら、いま話題のサプリメントについて考えていきたいと思います。
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アメリカでいう「サプリメント」は、「ハーブ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の栄養素を1種類以上含む栄養補給のための製品」とされています。一方、日本でいう「サプリメント」は「栄養補助食品」とか「健康補助食品」と呼ばれるものを指します。
日本の法律では、人が口から摂取するものは「食品」か「医薬品」のどちらかしかなく、「サプリメント」は医薬品と同じように錠剤やカプセルの形をしていても「医薬品」ではなく「食品」です。従って「○○に効く」「○○の予防に」と表示することはできません。また、医薬品は製造販売するのに、国の厳しい審査を経て承認されますが、食品であるサプリメントは承認手続きが必要なく、誰もが容易に製造販売できるという信頼性の問題が隠されています。
一般食品の枠内にひしめき合っている「いわゆる健康食品」は、法律の定めなどによりいくつかに分類できます(図-1)。分類により表示できる内容が異なっていますが、いずれも「薬のように効果・効能を具体的に宣伝できない」点で共通しています。つまり、「1ヶ月で5キロやせる」とか「ガンに効く」などの具体的な効果をあからさまにうたっている「商品」は、広告をするにあたり法律違反を犯している可能性もあり、要注意だということです。派手な広告文句に惑わされることなく、自分自身で情報を集め、納得した上で選ぶことが重要です. |
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次回は、「いわゆる健康食品」の分類と位置づけについて詳しく説明します。
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