ワンポイントヘルシートピック おいしく食べて健康生活 Vo.12

大腸がんを防ぐ食生活のポイント わたひき消化器内科クリニック 管理栄養士 綿引 眞躬

最近、増加傾向にある大腸がん。
食生活を見直して予防を心がけましょう。


日本では、毎年8万人以上が大腸がんにかかっています。2015年には、大腸がんが女性にとって一番多いがんに、男性では肺がん、肝臓がんについで3番目に多くなると推定されています。大腸がんを防ぐ食生活のポイントを考えてみましょう。

Point.1
ヨーグルトや乳酸菌飲料を毎日摂取
腸の中をバランス良く整えましょう
 乳酸菌やビフィズス菌は腸内細菌のバランスを改善し免疫を活性化させます。これらの菌を摂ると、お腹の中で酪酸という酸ができます。酪酸は大腸の粘膜を落ち着かせて、がんになりにくくしてくれます。

  Point.3
がんのリスクを高めるアルコール
晩酌は控えめに
 アルコールはほぼ確実にがんの発生を促進するといわれており、過剰な摂取は乳がんと同様、大腸がんにも良くない影響を与えます。適量であれば心筋梗塞や脳梗塞の予防に有用との知見もありますが、アルコールを摂ることで予防できるがんはありません。
Point.2
緑黄色野菜を中心に野菜をたっぷり!
サプリメントでの食物繊維の補給はNG
 1日に生の野菜の量で両手いっぱい(約350g)以上を食べましょう。そのうちの3分の1は緑黄色野菜にするのがポイント。野菜に含まれるカロテノイド、各種ビタミン、フラボノイド、葉酸、フィチン酸などによる抗酸化作用が予防に役立ちます。ただ、食物繊維を多く摂取すると大腸のポリープを大きくしてしまう可能性があるという研究報告もあることから、大腸がんの予防のためには、サプリメントで食物繊維をとることは、あまり勧められません。

  Point.4
牛・豚など赤身肉は1日80g未満に
魚類や鶏肉などがおすすめです
 赤身肉の摂取は大腸がんの発生を促進させることがほぼ確実と考えられています。豚肉、牛肉は1日80g以内にして、魚や鶏肉類を食べるようにしましょう。また黒焦げの肉や肉汁の焦げたものは避けましょう。
   
食べ物に加えて大切な予防法は、無理のないペースでの運動を毎日実行することです。また、がん予防に良いとされる食品でも食べ過ぎは禁物。同じものばかり食べ続けないよう注意しましょう。






発行/萩野原メディカル・コミュニティ