循環器なんでもQ&A Vol.19 

やなせ内科呼吸器科クリニック 循環器科 山下 恭典

健康や病気に関する読者の疑問に応えるなんでもQ&A。
今回は山下先生が循環器の病気に関する質問にお答えします。


Q1 まだ20代なのに血圧が高めなので心配しています。

A1 ぜひ病院を受診しましょう。高血圧は大きく
(1)特別な原因のない高血圧(本態性高血圧)…遺伝的な要因に加齢や生活習慣などの因子が複雑に絡んで血圧が上がるもの
(2)二次性高血圧…多くは内分泌系の異常からホルモンが多量に分泌されたりして高血圧を引き起こすもの
の2つに分けられます。20代で高血圧の場合には、本態性のことも多いのですが、二次性高血圧の可能性もあります。二次性高血圧は病気の一つの症状として血圧が上がっているので、元になっている病気の原因がはっきりして、その根本的な治療がなされると血圧は正常になるはずです。まずは病院で診察を受けて、高血圧の原因がどちらであるか確かめてもらいましょう。

Q2 血圧のお薬はどうしても飲まなければならないのでしょうか。薬を飲まずに血圧を下げる方法はありませんか。

A2 ご質問にお答えする前にご理解いただきたいのは、本態性高血圧の治療はお薬によるものだけではないということです。
 本態性高血圧の治療は多岐にわたります。生活習慣上では、禁煙・減酒・睡眠不足や不規則な生活の是正、過労やストレスの回避などがあります。食生活では、カロリー制限による減量、減塩なども重要です。また、適度な運動をする習慣を身に付けることも非常に重要です。できればこれらだけで血圧が適正にコントロールできることが望ましいのです。
 しかし、残念ながらこれでは十分でない時にお薬を飲んでいただくことになります。
もちろん、当初お薬を飲んでいた人でも、経過が良好であればお薬をやめていける場合もあります。しかしその割合はあまり多くはありません。
 全体として、高血圧の治療の目的は将来の重大な病気の合併を予防することにあります。したがって、お薬を使うか使わないかに関わらず、総合的な治療は一生必要なのです。気長に病気と付き合って行くべきでしょう。




発行/萩野原メディカル・コミュニティ