シリーズ「糖尿病教室」 No.17 |
糖尿病の薬物療法(その4) わたひき消化器内科クリニック 綿引 元 前回に続き、糖尿病の薬物療法についてご紹介していきます。糖尿病の皆さんにとって、薬はなくてはならない身近なものです。ご自分に処方されている薬についてよく知り、生活の中に上手に取り入れていけば、病気のコントロールにも役立ちます。今回からしばらく、経口血糖降下薬についてお話しします。 経口血糖降下薬(その1) 経口血糖降下薬にはスルホニル尿素薬とビグアナイド薬に、大きく分かれます。いずれも、2型糖尿病での血糖降下作用を持ち、食事療法と運動療法で十分な効果が得られない場合に用います。 スルホニル尿素薬(SU薬) ■薬の作用は インスリンを作り出す膵臓のランゲルハンス島(B細胞)を刺激してインスリンを分泌させる作用が中心になります。その他に筋肉などでのブドウ糖の利用を高めたり、肝臓に蓄えられたブドウ糖の放出を低下させる作用もあります。 ■副作用は 低血糖が最も多く注意が必要です。薬の種類や量を誤ったり、食事が遅れたり、食事量が少ない場合、いつもより強く長い運動の最中や運動後、強い運動あるいは長時間運動した日の夜間や翌朝に誘発されるので注意が必要です。その他に肝障害や悪心嘔吐などの消化器症状などの副作用があります。 ■使用上の注意事項 SU薬の作用を弱める薬として副腎皮質ホルモンなどがあり、逆に強める薬として消炎・鎮痛・解熱剤の一部があります。市販薬や新しい薬を服用する場合は必ず主治医に相談しましょう。また、アルコールによって低血糖が起きやすくなるので注意が必要です。さらに、妊娠中やその可能性がある場合は服用しない方が望ましいので、主治医に申し出てください。 |
発行/萩野原メディカル・コミュニティ |