ワンポイントヘルシートピック おいしく食べて健康生活 Vo.27
わたひき消化器内科クリニック 管理栄養士 綿引 眞躬

お酒はおいしく!楽しく!ほどほどに。
 適度な飲酒は、ストレスを解消する、虚血性心疾患のリスクを低くする、HDL-コレステロールを増加させる、などの効果があるといわれていますが、だからと言っていくら飲んでもよいというものではありません。人にはそれぞれ適量があります。適量を超えると、脂肪肝、肝硬変、食道がんなどのリスクを高め、さまざまな疾患の原因になります。お酒との付き合い方をもう一度見直してみませんか?
あなたは大丈夫?意外と知らない「アルコールと食事」の知識
1
「お酒を飲むときはご飯をとらない」
 エネルギーを考えて、バランスよい
 食事をとることが大切。 
アルコールには、エネルギーだけで、ほとんど栄養素は含まれていません。ですから、お酒をご飯の代わりにすることはできません。また、アルコール1g当たり、7キロカロリーもありますから、エネルギーオーバーにも注意が要ります。食事によるエネルギーよりも飲酒によるエネルギーがまず消費されるので、食事からのエネルギーは蓄積され、肥満になりやすいといえます。
ごはん、うどん、そばなどの炭水化物、焼き魚、豆腐、茶わん蒸し、肉などのたんぱく質、そしてたっぷり野菜をとりましょう。ラーメンや揚げ物は要注意です。
アルコール(エタノール)が血中にあり、代謝されている間は脂肪の酸化が抑制され脂質が蓄積するので、腹部の脂肪の蓄積の原因となります。
2
「日本酒ではなく焼酎なら血糖を上げない」
 どんなお酒でも飲みすぎたら同じ
日本酒、ビール、ワインなどの醸造酒は糖質を含み、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は含みません。しかし血糖値は糖質の量だけに左右されるのではなくて、アルコールの濃度やインスリン分泌などへの影響も考慮する必要があり、いずれのアルコール飲料でも大きな差はないといわれています。
3
「尿酸値の高い人はビール以外のお酒を選べば大丈夫」
 間違いです!!
アルコール飲料の種類に関係なく、飲酒量が増えれば血清尿酸値が上昇し、痛風発作の発症頻度が高くなります。ビールはほかのアルコール飲料より、プリン体(尿酸の原料になる)が多いので避けるべきですが、ビール以外なら飲んでも大丈夫なのではなく、アルコールの量が増えると尿酸値が上がります。
適度な飲酒量の目安
(アルコールにして1日20g)は、
★ビールなら500ml  ★日本酒なら1合弱
★ワインならグラス2杯 ★焼酎なら半合弱

1週間に2日は休肝日をつくりましょう!



発行/萩野原メディカル・コミュニティ