夏になるとついビールに手が出てしまう人が多 いようです。アルコールのカロリーをご飯に換算 すると、ビール350ml1缶がほぼご飯2/3杯に相当 します。しかしアルコールには栄養素はほとんど含まれてい ないので、主食の代わりにはなりません。
ご飯茶碗2/3 杯は、おおよそ100gで160kcal です。お酒の アルコールのカロリーは高く、同じカロリーだとおおよそ次の ようになり、ほぼ適度な飲酒の目安といえます。 アルコールからのカロリーの20 ~ 30%は体熱産生で消費 されますが(お酒を飲むと顔が赤くなったり、ほてったり するのは熱を放散しているからです。)、カロリーのとり過 ぎは肥満と中性脂肪を高めることになります。節度ある適 度な量を心がけましょう。
飲む前にチーズ1切れ、枝豆1さやでも食べておくと胃の出口(幽門)が閉じて、アルコールがゆっくり吸収されます。おつまみには、良質のたんぱく質をとると、アルコールの代謝が上がり、血中アルコールやアセトアルデヒドの消失が早くなるので、二日酔いを防ぎます。
アルコールは血管拡張作用や利尿作用に よって、一時的に血圧を下げますが、多 量飲酒は逆に高血圧や脳卒中のリスクを 高めます。おつまみとして塩分の多いス ナック菓子やナッツ類、漬物、干物は避けましょう。焼酎の梅割りも要注意です。
首都圏のビジネスマンの3人に1人が休肝日を設けているとの宝酒造の調査結果があります。アルコール量もカロリーも低いビアテイストドリンクを活用するのもいいですね。
多量飲酒は痛風(高尿酸血症)の原因の一つに挙げられ ます。尿酸はプリン体が分解されてできます。ビールはほ かの酒類に比べてプリン体を多く含むため、なるべく避け たいものです。しかしプリン体の少ない焼酎やウイスキー ならいくら飲んでもいいわけではありません。アルコール 自体が尿酸の排泄を妨げるからです。
発行/萩野原メディカル・コミュニティ |