年とともに食事の量が減ってきたと思うときはありませんか? そのままにしておくと、筋肉量が減少して、サルコペニアという状態になることがあります。サルコペニアとは、加齢によっておこる、筋肉量が減少した状態のことです。筋肉量を維持するためのポイントを見ていきましょう!
筋肉では、新しいたんぱく質がつくられる「合成」と古いたんぱく質が壊される「分解」が、常に行われています。このバランスが取れているといいのですが、年とともに分解される量が多くなると、筋肉量は減ってしまいます。加えて栄養不足や運動不足があると、たんぱく質の合成が十分にできず、サルコペニアを招くことになります。日本人の食事摂取基準(2020)では、高齢者が筋肉を維持するには、1日に体重1kgあたり1g以上のたんぱく質をとることが望ましいとされています。
植物性たんぱく質の大豆製品(豆腐や油揚げ)も大事ですが、筋肉を増やすには動物性たんぱく質(BCAA注1が豊富)が効果的です。1日2回はとりましょう。
赤身の豚肉、皮や脂身をとった鶏肉、ハムやソーセージがおすすめです。ツナ缶も便利です。
例えば、ゆで卵、牛乳、ヨーグルト、チーズなど。
ビタミンDは、筋肉でのたんぱく質合成を促す働きをします。毎日、短い時間でいいので、日光に当たりましょう。食品では、魚、卵、干し椎茸などの乾物に多く含まれています。
好きな食べ物や友人たちとの食事、季節を感じられる献立は楽しみですね。バランスの良い食事を楽しみながら、食事量を保ちましょう。
家の周りを歩く。公園まで歩く。スーパーまで歩く。時間を決めて、散歩をする。少し大股で歩いてみる。少し速足で歩いてみる。 体を支える筋肉を維持して、つまずいたり、骨折の危険を避けられるようにしたいものです。
毎食の献立、食材、分量などを大まかに記録しておくと、自分の食生活を客観的に見ることができます。やる気も上がり、食の偏りや、とり過ぎに気づくことができます。
注1:BCAAは動物性たんぱく質に含まれており、アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。
筋肉でのたんぱく質の分解を抑えたり、合成を促したりします。
参考資料:2019.9.きょうの健康
発行/萩野原メディカル・コミュニティ |