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食べ合わせを考えて栄養の吸収率をアップ! わたひき消化器内科クリニック 管理栄養士 綿引 眞躬

食品と薬の食べ合わせにもご注意。
詳しくはご相談ください。


 食品の食べ合わせとともに、薬と食品の食べ合わせの良し悪しが、最近わかってきました。血圧降下作用の強いカルシウム拮抗剤とグレープジュース、抗ヒスタミン剤とオレンジジュースやリンゴジュース、ワルファリンとビタミンk(納豆)は良くない組み合わせです。気をつけましょう。

   
 日頃、何気なく選んでしまう食品の組み合わせ。この「食べ合わせ」が、栄養の吸収率を上げたり、挙げたりしているってご存知ですか?
 この頃は、キュウリとトマトを切って「はい、サラダです」という献立が増えてきましたが、実は生のキュウリには、トマトの持つビタミンCを壊す酵素が含まれています。作ってすぐに食べないと、トマトのビタミンCがどんどん壊されてしまいますので気をつけましょう。生のニンジンにも同じビタミンCを壊す酵素が含まれています。野菜ジュースを作る時などにも注意が必要ですね。ただ、この酵素は、酢の物にすると働きません。
 また、ワカメと豆腐の味噌汁はおすすめの食べ合わせ。ワカメの持つカルシウムは、たんぱく質の豊富な豆腐と一緒にとることで吸収が良くなるのです。ひじきも大豆や油揚げと煮物にするとおいしいものですが、大豆のたんぱく質がひじきのカルシウムの吸収を助けるので、これも優れた組み合わせだと言えます。それぞれの食品が持つ栄養と食べ合わせを考えて献立を作れば、より健康的な食卓ができますよ!
 

●カルシウムはビタミンDやマグネシウムといっしょに
 日本人に不足しがちなカルシウムは、ビタミンD、マグネシウムと組み合わせると骨への吸着が良くなります。

 
■冷や奴豆腐(カルシウム)+かつおぶし(ビタミンD、マグネシウム)
■ワカメと豆腐の味噌汁ワカメ(カルシウム、マグネシウム)+豆腐(たんぱく質、カルシウム)
■五目豆昆布やひじき(カルシウム、マグネシウム)+大豆(たんぱく質、カルシウム)
 
  ●β-カロチンは油と一緒にとると吸収アップ!
 ニンジンや小松菜のソテー、油炒めはおすすめですが、カロリーが高くなります。カロリーが気になる方はほうれん草のゴマ和えで油をプラスするのがおすすめ!

●鉄分はビタミンCや肉類と相性ばつぐん。
 非ヘム鉄と呼ばれる植物性食品の鉄は吸収が良くありません。ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒にとると吸収率を上げることができます。

ほうれん草 + 牛肉、
鶏肉切り干し大根 + さやえんどう
ワカメ + レモン

 

●ビタミンB群はネギやにんにくと合わせて
 ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える時に必要な栄養素ですが、消化吸収の効率が悪く、体内に長く留まることができません。しかし、におい成分と結びつくことで、体内での働きが持続します。
■納豆+ネギ:納豆のビタミンB1に対し、ネギの硫化アリ ルが効果的に働きます。
■豚肉+タマネギ:豚肉にはビタミンB1が含まれており、 タマネギには硫化アリルがあります。







発行/萩野原メディカル・コミュニティ