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胃潰瘍

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の壁の一部がえぐれて傷が出来る病気といえます。その傷の深さも、粘膜だけが欠損し浅い傷をつくったものから、胃と十二指腸の壁を貫いてしまう深い穿孔性のものまであります。胃潰瘍と十二指腸潰瘍はともに消化性潰瘍と呼ばれ、「酸なきところに潰瘍なし」という言葉があるように、胃液(塩酸・ペプシン)の潰瘍発生における意義は大きいと言えます。すなわち、潰瘍の発生は胃液の塩酸とペプシンという攻撃因子と粘膜抵抗という防御因子の両者の兼ね合いで説明され、胃や十二指腸の粘膜抵抗が弱まり、防御力が低下すると言う条件が存在し、その上に強い消化力のある胃液が作用して潰瘍が発生します。また、最近ではヘリコバクター・ピロリという胃壁にいる細菌が潰瘍の発生や再発に関連していることがわかってきました。胃十二指腸潰瘍の最も代表的な症状は腹痛であり、特に十二指腸潰瘍では空腹時の腹痛、とりわけ夜間の腹痛が多く、食事を取ると腹痛が治まることがあります。腹痛の部位は、「みぞおち」に多く、時に痛みが背中や胸の方にひろがることがあります。